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2023/06/18
住宅・土地統計調査(総務省)によれば、空き家総数は、この20年で約1.5倍(576万戸→849万戸)に増加。 実家を相続したものの、「いつか子どもが使うかも」「(所有して)特に困っていない」と、使用目的がないまま放置されている「なんとなく空き家」も急増しています。管理不全の空き家は、庭木や雑草が茂れば近隣の迷惑になり、住宅の腐朽・破損が進めば倒壊の危険も。不法投棄、空き巣、火災などの心配が常にあり、防災・防犯、衛生など多方面で問題になっています。国は、空き家対策として、固定資産税の優遇措置の解除など、法改正の議論を進めています。(空き家政策の現状と課題及び検討の方向性、国土交通省 住宅局令和4年10月)
空き家を物置として利用したり、将来住んだりする可能性がある、資産として保有したい、など積極的な所有理由がないなら、売却を考えてはいかがでしょう。
今回は売却する際、古家を解体し更地にして売る場合と、解体せず「古家付き土地」で売る場合の違いについて紹介します。
「古家付き土地」とは、経済的な価値がほぼない住宅が建っている状態の土地を言います。古家でも、住居としての利用価値があると考えられる場合には、「古家付き土地」としてではなく「中古住宅」として販売することもできます。
土地として販売するのか、中古住宅として販売するのか、その明確な基準があるわけではありません。どちらで販売するのかは、あくまでも所有者である売主の希望次第、ということになります。
古家付きで土地を売却する場合の大きなメリットはもちろん、解体費用がかからないこと。木造住宅の解体費用の相場は、だいたい1坪あたり4万~5万円。延床面積が30~35坪程度だとすると、解体に150万円程かかることになります。そのため場合によっては、土地査定価格より解体費用の方が高くなるケースもあるかもしれません。
また、更地で土地を保有しているより、住宅が建っている土地の方が、固定資産税および都市計画税が安くなるため、売却活動中も税負担を抑えることができます。 ただし、今後の法改正で固定資産税等の優遇措置が解除される可能性もあります。
買主にも、古家付き土地の購入後、その家に住むか、それとも撤去するかにかかわらず、住宅ローンが利用できるというメリットがあります。
古家付き土地の売却時に忘れてはいけないのが、建物の契約不適合責任をすべて免責しておくことです。買主の多くが、建物を取り壊すことを前提として購入していると考えられますが、追完請求(建物の修繕の請求)等を追及される可能性もゼロではありません。買主の了解の上、売買契約書に「建物の契約不適合責任を負わない」旨の特約を盛り込んでおくと安心です。
古家付きの土地は、更地と比較すると、見た目の印象が悪くなりがちです。ゴミなどは処分しておくようにしましょう。ゴミが残っている古家は、感覚的に良くないイメージを持たれやすいため購入を敬遠されるだけでなく、ゴミの処分費用を含め買主に値下げの交渉余地を与えることになるかもしれません。
建物を解体して「更地」にしておけば、新築を検討している買主にとっては、①土地の形や大きさが分かりやすい、②解体費用を負担する必要がなく住宅新築にすぐに着工できる、などのメリットがあります。
このため更地の方が、早く買い手が見つかったり、高値で取引されたりする可能性が高いと言われています。
更地にする場合は、まず解体費用がかかります。建物の解体後、土地の整地や測量の必要性が生じることもあります。また、古家が建っている場合と比べて、固定資産税は最大6倍、都市計画税は最大3倍高くなってしまいます。(概ね、合計税負担は2~4倍程度になる場合が多いようです。)売却までに時間がかかれば、高くなった固定資産税・都市計画税を払い続けなければなりません。
とはいえ、これらの費用を見越しても「更地」にして売却した方が良い場合もあります。古家が空き家状態であり、定期的な管理のための手間や金銭が負担になっていたり、老朽化の進んだ古家が著しいマイナスイメージを与えたりするようなら、更地にすることを考えた方が良いかもしれません。
平成16年(2004年)以前に建てられたものは、アスベスト含有建材が使われている可能性があります。アスベストは、屋根材・外壁材・内装材・吹付け材・断熱材などに利用されていることが多く、建物を解体する場合は、アスベスト含有建材が使われている面積に応じた撤去費用が必要になります。
費用の目安としては、2万~8.5万円/㎡(処理面積)。ただし、諸条件によって大幅に変わることがあります。都度、確かめることが大切です。
空き家になった実家は、「更地」にした方が、一般的に購入希望者が多いため、売却を有利に進めることができるかもしれません。しかし解体費用や税金などの負担は大きくなるうえ、立地条件によっては、お金をかけて更地にしても長期間売れないことも考えられます。
「古家付き土地」は、売却までにかかる費用を軽減できるのが最大のメリットです。しかし古家の見た目で敬遠されるなど、買い手がなかなか見つからない可能性も少なくなく、売値を低く設定する必要に迫られるかもしれません。
今回のことを踏まえた上で、現地のエリアの特徴などをよく知る不動産会社に、どちらが有利なのか、相談してみるのが良いかもしれません。