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2023/09/17
家を売る!と決めたものの、何から始めれば良い? 実際にどんなことをするの?
やることは沢山あるとわかっているものの、いざ動こうとすると、何があるのか見当がつかない……というのが正直なところかも。
不動産の売却には、様々な手続きが必要です。
今回は、売却の流れの全体像と、それぞれのステップで売主がやるべきことを解説します。
家を売ることを検討しているなら、家の価格の相場を知ることから始めましょう。不動産ポータルサイトやチラシ等の広告で、売却したい不動産がある地域周辺で売り出されている物件の価格が参考になります。
インターネットの「不動産一括査定」を行うサイトでも相場を把握することができます。築年数や家の規模により評価は変わるので、同等のものを目安にすると良いでしょう。
相場を知っておけば、安い値段で買い取られることが防げるなど、査定価格の妥当性が判断しやすくなります。
次に、不動産会社に依頼して、具体的な家の査定金額を出してもらいます。査定金額とは、市場に売り出した時、売却可能と予想される金額のことです。
売却したい不動産の情報をネット上で入力すれば、対応できる会社がピックアップされます。その中から数社を選んで査定を依頼します。
複数の査定価格を比べることができるので、「いくらなら相場に合う適正な価格なのか」の基準を知ることができます。
一括査定サイトを利用した場合、とりあえず各社から机上査定書を取り寄せてから訪問査定を依頼する方が多いようです。しかし、机上査定はあくまで概算であり大幅に現実の価格とずれるケースが多いため、可能であれば実際の物件の内外を見てもらう訪問査定を依頼した方が良いでしょう。
その方が、大切な不動産の売却を任せる各業者のその担当者と直接面談ができ、結果として後悔のない売却を実現しやすいと思われます。
不動産会社を自分で探す、あるいは、普段から懇意にしている不動産会社に査定依頼を出す方法もあります。すべての不動産会社が、不動産一括サイトに登録しているわけではないので、直接依頼でしかリーチできない有利な情報が得られる可能性もあります。
いずれにしましても、売出し前には、かならず訪問査定を受け、不動産会社に売却不動産の状態等を確認してもらい、より正確で現実的な査定金額の提示を受けましょう。
なお、その際には、固定資産税・都市計画税の納付通知書や住宅ローンの返済表、マンションであれば新築時のパンフレットや後から付けられたオプションやリフォームの情報等があると、査定がスムーズに進みますし、気の利いた営業担当なら、売却に関してより的確なアドバイスもしてくれるでしょう。
査定後、仲介を依頼する不動産会社を決めます。査定金額が高い会社を選んで仲介を依頼するのもひとつの方法ですが、「どのような売却プランを立てているか」の確認が大切です。
会社の規模が大きく、広いネットワークがあれば、多くの購入希望者とつながることができ、高い価格で売却できる可能性が高まると考えがちですがそれは間違いです。
今は法整備され、地元の小さな不動産会社に専任媒介または専属専任媒介で売却を依頼しても、業界内にあなたの売却物件の情報がすぐに流通します。
また、不動産検索サイトで瞬時にして不動産を探している一般のお客様があなたの売却物件の情報を知ることになります。
会社の規模が大きくなくても、売却物件のあるエリアに根付いた地域密着型の会社なら、スムーズに売買が進むケースが多いです。
不動産会社を決めたら、媒介契約を締結します。媒介契約には、「一般媒介」「専任媒介」
「専属専任媒介」の3種類があります。
複数の会社に売却活動を依頼できる。但し、不動産会社から依頼者への売却活動の報告義務がなく、他社との競合になるリスクを考え、積極的な営業活動が行われない可能性がある。
1社のみとの契約になるため、積極的な活動を行ってくれる可能性が高い。活動の報告は14日に1回以上のため、こまめな連絡が受けられる。自己発見取引(親戚や友人など売主が発見した買主と直接契約すること)も認められている。但し、契約した会社1社の営業力に売却の結果が左右されるのがデメリット。
1社のみとの契約になり、自己発見取引もできないが、より積極的な営業活動・売却交渉を行ってくれる可能性が高い。報告頻度は7日に1回以上のため状況を把握しやすい。但し、専任媒介契約と同様に1社のみとの契約になるため、会社の営業力に売却の結果が左右される。
一般媒介契約で複数社と契約した場合、契約したすべての不動産会社に対応するなど煩雑なこともあります。売却物件が遠方にあったり、多忙だったりする場合は、信頼して任せられる不動産会社と専任媒介契約か専属専任媒介契約を結んだ方が、売却活動をスムーズに進められるでしょう。
なお、媒介(仲介)契約の際には、「登記済証(権利証)または登記識別情報通知書」と売主の身分証明書の提示を求められることが一般的です。
媒介(仲介)契約の締結後、売り出し価格を決め、不動産会社は売却活動を始めます。
チラシや不動産ポータルサイト、現地看板などで周知し、物件に興味を持った購入希望者の内覧を実施します。
内覧の基本的な対応は不動産会社に任せることができますが、内覧の前の掃除やハウスクリーニングは、ほとんどの場合売主側が行います。
窓を開けて換気しておく、エアコンで快適な温度にしておく等も、見学者に良い印象を与える可能性が高いので、内覧の都度、実践したいところです。また、一般的に内覧には売主が立ち会うことになっています。
不動産会社から売却活動の報告を受けて、状況をチェックします。
活動報告は、専任媒介なら14日に1回以上、専属専任媒介なら7日に1回以上と定められています。
売主は、サイトのアクセス数・広告手段と内容・競合物件との比較や、動向・内覧件数・内覧者が購入に至らなかった理由等々、活動の報告から、価格見直しなどの対応を相談・検討します。
媒介(仲介)契約の期間が満了した時点で、その依頼した不動産会社の売却活動に満足できなければ、仲介の不動産会社を変更しても良いでしょう。
購入希望者が物件購入を決断すれば、次の段階へ。
購入希望価格などの希望条件を記載した「買付証明書」に基づいて、売主と購入希望者の間で契約条件を交渉します。条件が整理できたら「売渡承諾書」を作成し、いよいよ書面で売買契約を締結します。
売買契約締結時には、買主から手付金を受領します。手付金は売買代金の10%前後です。売主は売買契約時に、一般的に不動産会社に仲介手数料の50%を支払います(残りの50%は残代金決済時の支払い)。
仲介手数料のほかに、不動産の売却に必要なお金は、抵当権の抹消関連(住宅ローンを返済中の売却の場合)、印紙税、インスペクション費用(任意)、測量境界確定費用(土地の境界が明示できない場合)、税金(譲渡所得が発生する場合)。
仲介手数料には、宅地建物取引業法により定められた上限額があります。取引物件価格(税抜)が400万円超の場合は「取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税」。例えば、不動産の売買価格が4,000万円なら、4,000万円×0.03+6万円+消費税=138万6,000円となります。
不動産の売却を納得いくものにするために必要なのは、売主自ら情報収集をして知識を身につけることです。
そして信頼できる不動産会社をパートナーに選ぶことが大事だと考えます。
積極的に売却活動に参加して、スムーズな売却を成功させましょう。